TEE:実は「ベイビー・アイラブユー」を歌うまではラブソングを書いたことがなくて、ずっとイケイケドンドンなパーティーチューンばかりをやってたんです。でも「ベイビー・アイラブユー」を歌ってからは、“またラブソングが聴きたい”っていうリクエストが多くなったので、シングルで「電話で抱きしめて」「愛し続けるから」をリリースして、アルバム「Kido I Raku」でもラブソングを歌わせてもらったんです。その流れで“愛”をテーマにした曲を集めて、ミニアルバムを作ろうっていうことになって、出来上がったのがこのアルバムです。 |
――アルバムのタイトルは「Baby I Love You」ですが、このタイトルにした理由は?
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TEE:「ベイビー・アイラブユー」は、4年前に作られた曲なんですけど、その時は「Baby I Love You」っていう英語表記だったんです。今回のアルバムは「ベイビー・アイラブユー」あっての作品なので、原点に戻る意味も込めて、英語表記にしました。 |
――曲順は悩まれました?
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TEE:「ベイビー・アイラブユー」「電話で抱きしめて」「愛し続けるから」はストーリーが繋がっているので、そこは崩さないようにしました。どれを聴いても誰かに当てはまるような曲が入っているので、自分にダブらせて聴いてもらえればと思っています。 |
――今作ではシェネルさんと「ベイビー・アイラブユー」で共演されていますが、共演のきっかけは?
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TEE:シェネルが「ベイビー・アイラブユー」をカバーしてくれて、それで自分からラブコールを送ったんです。自分はもともとシェネルの曲を聴いていたので、「ベイビー・アイラブユー」じゃなくて、ダンスホールな曲だったり、二人の色が出るような曲をいつかやりたいです、ってずっと話してたら、プロデューサーの今井了介さんが動いてくれて、今回、実現しました。 |
――シェネルさんが「ベイビー・アイラブユー」をカバーされることは事前に知ってたんですか?
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TEE:はい。“今度カバーする”って聞いて、それで曲を聴かせてもらったら“凄いな”って。カバーなんですけど、シェネルの「ベイビー・アイラブユー」は、自分の「ベイビー・アイラブユー」とは別物だと思っています。 |
――共演にあたって、どんなことを意識されたんですか?
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TEE:シェネルはスキルが世界的なレベルなので、自分の色が消えないように、自分は自分の気持ちを伝えることを意識しました。あとはシェネルの歌い回しなどのスキルを勉強しようと思いながらレコーディングさせてもらいました。 |
―― 一緒にやってみて感じたことは?
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TEE:やっぱりスキルの高さとレコーディングに対する姿勢ですね。あと、PVも一緒に撮らせてもらったんですけど、恥ずかしくてシェネルの顔を見れなかったりしたので、エディーマーフィーとジェイミーフォックスのDVDを何度も観て、撮影に臨みました(笑)。 |
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――シングル曲も収録されていますが、「電話で抱きしめて」は面白い表現のタイトルですよね?
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TEE:この曲も実体験なんですけど、遠距離恋愛の曲を書くにあたって、今の自分たちが何で繋がっているのかを考えた時に、やっぱり電話だったんですよね。夜、一番に電話やメールすることを、一番の楽しみにしている。実際会って抱きしめることは出来ないけど、その分電話で抱きしめてるよっていう思いを表現しました。一度見たら、脳裏に焼きつくタイトルだと思います。 |
――“GO!でも今はまだNO”というフレーズは、同じ男としてとても共感できます。
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TEE:思いはあるけど、なかなかけじめがつかない男の心境をうまく一行で表現できたと思います。 |
――「愛し続けるから」は、3.11の震災が一つのきっかけになっているんですよね?
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TEE:そうですね。震災が起こってから結婚したカップルが増えたって聞いて、やっぱり俺自身も大切な人を守りたいって思ったし、日常が当たり前じゃないっていうことに気付いた一人だったので。でも現実はきれいごとだけじゃなくて、きっとまた君を泣かせるし、傷つけると思う。それでも愛し続けていきたいっていう思いをストレートに書きました。 |
TEE:いいですね。でも、聴き返さないと意味ないですね(笑)。いつも録るばっかりなんですよ(笑)。 |
――TEEさんのラブソングは、語り口調が多いですが、それは意識してなんですか?
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TEE:恋愛は一人では出来ないので、自然と相手に語りかけてるんだと思います。だから、さっきも言った通り、サビを強調したいので、叫びながら訴えかけるパターンと使い分けて作るようにしてます。 |
――英語もよく使われていますが、英語に対してはどう思っているんですか?
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TEE:歌詞に使う程度の英語は問題ないです。英語の方が伝わりやすいこともあるし、歌い回しで日本語だとしっくりこない部分も、英語にしたことで耳触りが良くなる時は英語を使うようにしています。 |
――歌詞の面で影響を受けたアーティストは?
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TEE:絶対的なのは、桑田佳祐さんですね。もう頭の中はどんな風になってるの?っていつも思います(笑)。たとえば「TSUNAMI」のサビで“見つめ合うと素直にお喋り出来ない”ってありますけど、それをサビに持ってきちゃうのか、みたいな(笑)。桑田さんの歌詞にいつもやられちゃうんですよね。あとは、尾崎豊さんや浜田省吾さん、Mr.Childrenも好きです。 |
――歌詞とメロディーの関係については、どう考えていますか?
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TEE:バランスは凄く大事だと思います。いい歌詞が入ることで、メロディーも活きてくると思うし、単純なことを繰り返すことで二度と忘れない歌詞になる。あとは、俺はずっとボクシングをやっていたので、トリッキーなパンチを打つことによって、相手の不意をつくように、トリッキーな言葉が聴く人をグラっとさせる。そういうところは一緒かなって(笑)。 |
――ファンからの声で多いのは、やっぱり歌詞に対してですか?
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TEE:そうですね。リスナーの方は知らない人も多いと思いますけど、歌詞ってポンと出して、“はい、OK!じゃあ、CDにしよう”っていう訳にはいかなくて、色んな方がチェックするその壁を通り抜けなくちゃいけないんです。だから葛藤も多いし、ケンカもしたり…。でも、みんなに認めたものをリスナーが“最高!”って言ってもらえるのが、自分の中では快感なので、歌詞がいいと言われた時は、“ありがとうございます!”って言いながら、“スタッフ全員に言っておきます”っていう思いなんです。 |
――それでは、最後に「歌ネット」を見ている人にメッセージをください。
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TEE:歌ネットで自分を知ってくれた人や昔から支えてくれてる人もいると思いますが、出会っちゃいましたね。これからも皆さんの背中を押せる曲を届けていきますので、温かく見守って下さい。 |