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スタイルを変えて、歌える場所は増えたと思いますが、基本はストリートライブで活動されていたんですよね?それはどうしてなんですか? |
Giz'Mo |
実はその当時、メンバー全員派遣切りで仕事を失ってしまったんです。そんな状況では全国をまわることなんて到底不可能だったし、その状況下でストリートだけが唯一歌える場所だったんです。なので、そこで毎日歌を歌い続けて、今メジャーデビューに至っているという状況です。 |
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ストリートで活動しているヒップホップユニットって珍しいですよね? |
MOCKY |
そうですね。あまり聞いたことはないですね。 |
PRINCE.YK |
でも、僕らはバンド出身なので、ストリートで歌うことには抵抗はなかったですね。 |
Giz'Mo |
まわりからは“珍しい”って言われるんですけど、メッセージを届けたければ、そこに立つことは自然なことかなって思いますね。 |
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今でも、浜松に住んでいるんですよね。東京に出ようと思ったことは? |
Giz'Mo |
ないですね。僕らは“地方の街に生まれても、夢は叶えられる”っていうことを証明したいんです。たとえば東京のバンドがツアーで浜松に来るって聞いた時に“東京のバンドには負けたくない”と思うし、逆に自分たちが東京にライブに行った時に“浜松のバンドはダサかったよね”って言わせないっていう思いから、浜松に残って続けているんです。 |
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浜松に残っていることは、固い決意なんですね。 |
Giz'Mo |
なんかサッカーチームに似ているんですよね。たとえば、浦和レッズや清水エスパルスとか地域名が名前に付いてるじゃないですか。僕らも実際は付いてはないですけど、“浜松”っていう文字が頭に付いてると思っているんです。 |
PRINCE.YK |
僕らは工業地帯で働いていたので、バイト先のおじさんとかに“プロになりたいんだったら、東京に行かなきゃ駄目じゃないか”とかよく言われたんです。でもそれを認めたら、今の自分たちを否定することになるので、“この街からでもやれることはある”っていうことをずっと突き詰めてやっています。 |
Giz'Mo |
まだまだ目的の場所には遠いんですけど、“辞めないこと”“毎日一歩ずつでも前に進んで行くこと”が自分たちらしさなのかなと思いますね。 |
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Giz'Mo |
実は、母親がフラワーデザインの講師をやっていて、家の中は花だらけなんです(笑)。僕らは日頃から花に囲まれて育ってきたんですけど、今回の曲で使おうと思ったのは、デビューした時に皆さんからたくさん花を戴いて、その花にはそれぞれ贈った方の気持ちが感じられたんです。“何て温かいんだろう”と思って、“いつかそんな曲を書けたらいいな”と思っていて、今回、念願叶ってこの曲を書くことができました。 |
MOCKY |
今回の曲は、デビューしてから4枚目のシングルになるんですけど、とにかく“伝えたいメッセージは何か?”っていうことを一番大事にして、伝わり易いように曲調もシンプルにしたんです。 |
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歌詞は実体験なんですか? |
Giz'Mo |
まわりは高校を出たら就職したり、大学に進学して街を出たりする中で、僕らは街に残って音楽をやっていて、両親はきっとまわりから“あの子たちまだ音楽やってるの?”って言われて恥ずかしい思いをしたと思うんですよ。それでも僕がバイトに行く時に弁当を作ってくれたり、僕たちが仕事を失くして“音楽辞めて就職しようかな…”って相談した時、“ここまでやってきたんだからやりきりなさい!”って言ってくれたりとか、そういう一つひとつの出来事を聴く人に当てはまるように書きあげました。 |
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個人的には、「会社で年下にバカにされて 殴りかけて グっと堪えて その時あなたを思い出した 止めてもらってる様な気がした」のフレーズはグッと来ました。 |
Giz'Mo |
僕らは仕事を失っても音楽をやってたし、素行もそんなに良かったわけじゃないので、正直まわりから白い目でみられていたんです。でも、両親は“うちの子は今に必ずプロになる”ってまわりに言い続けてくれたんですよ。“そういう人のために絶対にプロになろう”って思ってたし、“反発するんじゃなくて、結果で示そう”っていう思いがこのフレーズには込められてます。 |
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ちなみに今、一番花束を渡したい人は誰ですか? |
MOCKY |
僕は結婚しているので、やっぱり嫁ですね。 |
PRINCE.YK |
僕は去年おじいちゃんを亡くしたので、おじいちゃんです。おじいちゃんにはデビューした姿を見せられなかったので、仏壇に花を添えたいですね。 |
Giz'Mo |
僕は支えてくれてるリスナー一人ひとりですね。僕らは“ファン”っていう呼び方はしないんですよ。“ユニティーズ”(仲間の集合体)っていう呼び方をしていて、自分たちが上手くいかない時も、いつも傍にいて一緒に泣いたり笑ったりしてくれるわけじゃないですか。“同じ目的に向かって一緒に歩いている”と思っているので、そういう人たちに“今まで支えてくれてありがとう。そしてこれからも宜しく!”って伝えたいですね。 |
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この曲は、どういう人に聴いてもらいたいですか? |
Giz'Mo |
大人になろうとしてる人、大人になれずに苦しんでいる人、それが特に20代だと思うので、20代の人ですかね。自分のために頑張るんじゃなくて、大切な人を思い浮かべて、“もう一度頑張ろう”って思ってもらえたら嬉しいですね。 |
MOCKY |
前向きに考えられない時って人生あると思うし、自分に自信をなくしてる人には是非聴いてもらいたいですね。 |
PRINCE.YK |
僕らがやっている音楽って、人が上手く押し出せない感情の補助的なものだと思うので、“何気ない毎日の中で起こることが一番大切なんだ”っていうことに気付いて、まわりの人を大切にしてもらえたらと思います。 |
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Jam9さんは普段どのような流れで曲作りをされているんですか? |
Giz'Mo |
まずサビのメロディーをどちらか(Giz'Mo・PRINCE.YK)が作って、それに対してテーマを決めて、あとはお互いに自分が歌うところを書いていく流れで作っています。 |
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詞を書く上で大切にしていることは何ですか? |
PRINCE.YK |
あまりカッコつけないことです。本当に人が聴きたい部分って、あまり人に言えない事だったり、恥ずかしい事だと思うんですよ。そういう意味で自分が書く時は、カッコつけて書かないようにしています。一人の人間として、人に語りかける時は“どんな口調で、どんな言葉を選ぶか”っていうのを一番大事に考えています。 |
Giz'Mo |
僕は、“風景を見せること”にこだわっています。僕のパートはラップで、普通の歌より言葉を多く使えるので、聴いた人が何かを思い浮かべて曲に入り込んでもらえるパートだと思うんです。なので、“パチンコで負けて”とか“無言で渡された弁当”とか、そういうイメージができる言葉を書くようにしています。 |
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よく歌詞を書く場所や時間帯はありますか? |
Giz'Mo |
僕は車の中ですね。車の中は部屋の中よりも落ち着く場所なので、その中でオケを流して、携帯で歌詞を書いたりします。 |
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それはいつからなんですか? |
Giz'Mo |
もう10代の頃からです。ライブのMCも練習したりしてます(笑)。 |
PRINCE.YK |
僕は、寝る前コンタクトを外して、布団に入ってからが書きやすいです。寝る前って一日を振り返る時なので、色んな事を思い出しながら携帯に打っています。気が付いたら眠ってる時も多いんですけど(笑)。 |
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歌詞を書く上で、影響を受けたアーティストは? |
Giz'Mo |
僕は、Miss Mondayさんですね。本当に大好きで、ご本人にも30回位“大好きです”って言ってるんですよ(笑)。Miss Mondayさんは、凄くポジティブな言葉を並べられる方で、ちょっと寂しい気分の時とか辛い時とか、Miss Mondayさんの言葉に触れると凄く前向きになれるので、僕もそういう言葉を書いていきたいですね。 |
PRINCE.YK |
僕はここ何年か歌詞が素敵だなと思っているのが、UVERworldさんです。“生きる”っていうことについて切々に書かれていて、一言一言の切り口が凄く強いんですよ。“毎日が楽しいなんて、毎日楽しくないのと同じ”っていう歌詞があるんですけど、それを見た時はグッと来ましたね。 |
MOCKY |
僕はCLIFF EDGEさんの歌詞が好きで、特に「BIRTH~You're the only one Pt.2~feat.MAY'S」の歌詞が好きです。Jam9の音楽を作る上でインスピレーションを貰ったりしているし、今でも移動中に聴いたりしています。 |
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Jam9というグループの1番の武器って何だと思っていますか? |
Giz'Mo |
描いているものを一通り形にすることが出来るところですかね。全員楽器が弾けるので、デビューシングルから3枚目まではドラム以外のアレンジを自分たちで完結させているんです。バンド出身だからなんですけど、トラックが出来上がってそれにラップを乗せていくんじゃなくて、ラップを乗せる前に全てのビジョンが頭の中にあって、それを形にしていく作業から曲作りが始まっているので、それが他のアーティストとは違うところですかね。 |
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KARAさんやBRIGHTさんに楽曲提供をされていますよね。楽曲提供についてはいかがですか? |
Giz'Mo |
自分たちの楽曲を作っている感覚とは違うんですけど、評価してもらっている結果だと思うので、純粋に嬉しいですし、“Jam9のメロディーはいいよね”って言う言葉から“Jam9っていうグループがいいよね”っていう風に言われるようにこれからも頑張っていきたいですね。 |
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それでは、最後に「歌ネット」を見ている人にメッセージをください。 |
MOCKY |
これからもいい曲が書けるように精一杯頑張っていきますので、応援宜しくお願いします。 |
PRINCE.YK |
「花束~幸せにしたくて~」の歌詞を見て、自分の事と照らし合わせられる一曲であればと思って作りましたので、是非歌詞を見て大切な人を思い描いてください。 |
Giz'Mo |
今、音楽は凄く難しい時代に入ってしまったんですけど、そういう中でも歌詞検索サイトを見ている皆さんは、音楽を大切に、そして真摯に向き合ってくれてる方だと思うので、そういう方が自分たちの言葉に触れた時に何か感じるものがあれば嬉しいですし、大切な誰かを思う瞬間に寄り添っていけるような音楽をこれからも作っていきますので、この曲も、そしてこれからも宜しくお願いします。 |